12月16日(土)に、明日の教室デュオセミナーが開催されました。
2019年にご逝去された瀧本哲史先生の、2011年に開催された講演ビデオを放映し、
瀧本先生と親交の深かった、千代田国際中学校校長の日野田直彦先生をお招きしました。
「瀧本哲史さんからの『宿題』を考える~ミライの学校について話そう~」というテーマでお話いただきましたが、
その際の様子をお知らせいたします。
瀧本哲史先生 | 日野田直彦先生 |
(撮影:平井良信)
12月16日(土)に、明日の教室デュオセミナーが開催されました。
2019年にご逝去された瀧本哲史先生の、2011年に開催された講演ビデオを放映し、
瀧本先生と親交の深かった、千代田国際中学校校長の日野田直彦先生をお招きしました。
「瀧本哲史さんからの『宿題』を考える~ミライの学校について話そう~」というテーマでお話いただきましたが、
その際の様子をお知らせいたします。
瀧本哲史先生 | 日野田直彦先生 |
(撮影:平井良信)
2011年12月10日に瀧本哲史さんが明日の教室で講演された映像を見て、日野田先生のお話を聞きました。
瀧本さんは2019年に亡くなられましたが、全く古くなっていませんでした。
中途半端な高等教育、初等中等教育の価値は下がり、知識を伝達するだけの教員の価値は下がる、
教育の商品化・コモディティ化、授業のシナリオ化・脚本化が進み、
一部のスター教員をのぞき、教員の仕事はカウンセラーやソーシャルワーカーとしての役割になる、というお話でした。
映像の後は、日野田先生、糸井先生、池田先生の3人の鼎談です。
この講演、瀧本さんとの交流が日野田先生の人生を大きく変えたそうです。
日本では結果よりも頑張りを評価しやすい、楽を認めず、成功体験を求め、失敗を排除しがちであることに問題があり、
見方を変えて「失敗=経験値を上げた」と捉えると大きく変わるだろうという話がありました。
また、「守破離」に例えて、教科書講義型の授業を3年くらいやらないと
アクティブラーニング、PBLの授業はできないだろうという議論がなされました。
池田先生は、チャットGPTを使った学びの例をあげ、個人で学習し分かったことを出し合い、
議論する場が学校になればいいとお話をされました。
チャットGPTを使うと「登山が5合目から始められる」印象があるとお話されました。
知識・経験・体力のないまま登山に挑戦するようなもので、「訓練」の場が必要になる、
これまでの「守破離」と順序が逆転していく可能性を指摘されました。
左から、池田修先生、日野田直彦先生、糸井登先生
(撮影:平井良信)
第2部では、12年前の「質疑応答」の映像を見ました。
12年前、瀧本さんは現実の学校現場と教員養成にズレがあることを、
「野球の試合だと思って行ったらサッカーの試合だった」と形容されていました。
また、失業問題について教育で解決できる問題はあまりない、という論を展開され、
当時の参加者と激論を交わしていました。
映像の後、日野田先生が「ミライの学校」の創り方という題で講演されました。
これまでの思い込みを捨て、社会が何を求めているのかを見極めアップデートし続けていく、
学校は何のためにあるのかを考え、「どこから、何を、どのように、誰が、いつ」変えていくのかを考えるなど、
消費者マインドではなくオーナーシップを持って教育活動を行うことの大切さを数々のご経験をもとにお話されました。
改革を進める際、全員を一気に救おうとするのは難しい、まずは自分の目の前の人を変えていく、
するとその人がまた周りの人を変えていくことで改革が進んでいくというお話でした。
質疑応答でも、学校改革のためにノート50冊分のシミュレーションをされていたというお話があり、
ずっと進み続けていらっしゃる日野田先生の様子が伝わってきました。
瀧本先生の映像からも、「今は明治維新のような時代」という日野田先生のお話からも、
夢に投資し、自分から学んでいこうという気持ちになりました。
日野田直彦先生
(撮影:平井良信)